4,中部エリア
4-1下呂温泉(岐阜県)
第1部下呂温泉 基本情報
1. 温泉地の歴史と特徴
下呂温泉(げろおんせん)は、岐阜県下呂市に位置し、有馬温泉、草津温泉とともに日本三名泉の一つとして広く知られる名湯です。その歴史は古く、平安時代の書物『和漢三才図会』に名前が記されており、湯治場としての歴史が長い温泉地です。
江戸時代には飛騨地方の湯治場として広まり、藩主や旅人たちが疲れを癒す場所として親しまれてきました。特に明治以降、鉄道の整備によりアクセスが向上し、全国的に名を広げました。
下呂温泉の最大の特徴は、その泉質にあります。アルカリ性単純温泉で、pH約9.2と高いアルカリ性を誇り、肌がつるつるになる「美肌の湯」として知られています。このため、入浴後に肌がしっとりする効果があることから、多くの人々に愛されてきました。温泉街には、無料で利用できる足湯スポットが点在しており、散策中に気軽に楽しめるのも魅力の一つです。
また、温泉街を流れる飛騨川のほとりには、「下呂温泉合掌村」があり、白川郷のような合掌造りの家々を移築した観光施設として人気を集めています。ここでは伝統工芸や昔ながらの暮らしを体験でき、文化的な魅力も満喫できます。
2. グルメ情報
下呂温泉では、飛騨地方の特産品を活かしたグルメが堪能できます。地元の素材を活かした料理は、観光客にとって大きな楽しみの一つです。
1. 飛騨牛料理
下呂温泉を訪れたら絶対に外せないのが、ブランド牛「飛騨牛」を使った料理です。柔らかく甘みのある飛騨牛は、ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶとして楽しむことができます。特に、地元の味噌を使った「朴葉味噌(ほおばみそ)」で焼いた飛騨牛は絶品です。
2. 朴葉味噌(ほおばみそ)
飛騨地方の郷土料理である朴葉味噌は、飛騨特産の味噌を朴(ほお)の葉に乗せて焼く伝統料理です。白ご飯にぴったりで、旅館の朝食や地元の定食屋で提供されることが多い一品です。
3. 鶏ちゃん(けいちゃん)
鶏肉を味噌や醤油で味付けし、キャベツやもやしなどの野菜と一緒に炒めた郷土料理。下呂温泉でも人気のあるメニューで、お酒のお供にもぴったりです。
4. 飛騨そば
飛騨地方の名産であるそばは、香りが豊かで喉越しの良さが特徴です。温泉街には、地元産のそば粉を使った手打ちそばの店が点在しています。
5. 温泉たまご
下呂温泉の源泉でゆでられた温泉たまごは、黄身がとろっと濃厚で、食べ歩きにもぴったり。温泉街の足湯スポットなどで気軽に購入できます。
6. 地酒と飛騨ワイン
下呂温泉周辺には、地元の湧き水を使った酒蔵やワイナリーがあり、地酒や飛騨ワインが楽しめます。温泉街の飲食店や旅館で味わうことができ、お土産としても人気です。
下呂温泉は、美肌の湯を楽しみながら、地元の味覚も堪能できる魅力あふれる温泉地です。歴史と自然、グルメが融合したこの温泉地で、心も体も癒されるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか?
4-2山中温泉(石川県加賀市)
第1部、基本情報
1. 温泉地の歴史と特徴
石川県加賀市に位置する山中温泉は、加賀温泉郷の一つで、開湯1300年以上の歴史を誇る名湯です。その起源は奈良時代、僧・行基が発見したとされています。「山中や 温泉(いでゆ)は上(かみ)の湯下の湯」と俳聖・松尾芭蕉が詠んだことで、さらにその名が広まりました。江戸時代には温泉地として発展し、多くの文人墨客が訪れた場所として知られています。
山中温泉の特徴は、「美肌の湯」として名高い柔らかな泉質です。ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉で、保湿効果が高く、肌をしっとりとさせる効能があります。また、リウマチや神経痛、疲労回復などにも効果があると言われ、多くの湯治客が訪れています。
さらに、山中温泉は自然豊かな景観にも恵まれており、渓谷美が楽しめる「鶴仙渓(かくせんけい)」が特に有名です。川沿いには遊歩道が整備され、紅葉の名所としても知られています。また、「こおろぎ橋」や「黒谷橋」などの美しい橋が温泉地を彩り、四季折々の風景を楽しむことができます。
2. アクセス方法
電車とバスでのアクセス
1. JR利用
• JR「加賀温泉駅」まで行き、そこから加賀温泉バスまたはタクシーで約20分。
• 加賀温泉郷の主要温泉地を結ぶ周遊バス「CANBUS(キャンバス)」を利用すると便利です。
2. 特急利用
• 東京、大阪、名古屋方面から特急「サンダーバード」や「しらさぎ」を利用して加賀温泉駅に到着後、バスで山中温泉へアクセス可能。
車でのアクセス
1. 北陸自動車道利用
• 「加賀IC」または「片山津IC」で下車し、そこから国道8号線や国道364号線を経由して約20分。
空港からのアクセス
1. 小松空港から
• 小松空港からはタクシーで約40分。また、空港連絡バスを利用して加賀温泉駅まで行き、そこからバスまたはタクシーでアクセス可能。
3. グルメ情報
山中温泉では、加賀地方の豊かな食材を活かした美味しいグルメが楽しめます。特に、地元の海の幸や郷土料理が人気です。
1. 加賀野菜を使った料理
加賀地方特有の伝統野菜「加賀れんこん」や「金時草(きんじそう)」などを使った料理は、ヘルシーで美味しいと評判。地元の料理店や旅館で提供されています。
2. 加賀蟹料理
冬の時期に楽しめる加賀地方の名物、ズワイガニ(加賀蟹)は必食です。新鮮な蟹を刺身、焼き蟹、蟹鍋などで楽しむことができます。
3. 山中漆器を使った料理の提供
山中温泉は「山中漆器」の産地としても有名で、漆器に盛り付けられた料理を味わうことができます。料理の味だけでなく、器の美しさも楽しめるのが特徴です。
4. そば料理
山中温泉では、手打ちそばが地元グルメとして親しまれています。湧き水を使った香り豊かなそばは、温泉街の飲食店で提供されています。
5. 温泉まんじゅう
温泉地ならではのスイーツとして、ふんわりとした生地と優しい甘さのあんが特徴の温泉まんじゅうも人気です。お土産にも最適。
6. 地酒と地ビール
加賀地方の豊かな湧き水を使った地酒や地ビールも楽しめます。地元の料理との相性が抜群で、温泉旅の締めくくりにぴったりです。
山中温泉は、1300年の歴史ある湯と、四季折々の自然美、そして豊かなグルメを同時に楽しめる温泉地です。温泉で癒されながら、加賀地方の食文化も堪能できるこの地を、ぜひ訪れてみてください!
第2部、山中温泉のバリアフリー状況
温泉地全体のバリアフリー情報
山中温泉は、歴史と自然に恵まれた温泉地であり、近年ではバリアフリー化も徐々に進められています。ただし、山間部にあるため坂道や階段が多いエリアもあるため、車椅子利用者や高齢者の方は事前の情報収集が必要です。
バリアフリー対応エリア
1. 鶴仙渓(かくせんけい)遊歩道
• 山中温泉を代表する観光地「鶴仙渓」は、渓流沿いに整備された遊歩道で、美しい自然を楽しむことができます。
一部の道は階段があるものの、「あやとりはし」周辺などフラットなエリアもあり、車椅子での移動も可能な箇所があります。
2. こおろぎ橋周辺
• 山中温泉の名所「こおろぎ橋」へ向かう道には、比較的平坦でアクセスしやすいルートがあります。ただし、橋自体は狭く、車椅子での利用は難しいため、介助が必要になる場合があります。
3. 山中温泉総湯 菊の湯
• 地元の方や観光客に人気の共同浴場「菊の湯」は、入口にスロープが設置されており、車椅子でも利用しやすい環境です。ただし、浴場内の設備については介助が必要な場合があります。
4. 温泉街の商店街
• 山中温泉街の商店街は、比較的フラットで車椅子での移動がしやすいエリアが多いです。一部の店舗ではスロープを設置している場所もあります。
バリアフリー対応のホテル・旅館
以下は、山中温泉でバリアフリー設備が整った宿泊施設の一覧です。これらの施設は、高齢者や車椅子利用者でも快適に滞在できるよう配慮されています。
1. 白鷺湯たわらや
• 特徴:
創業800年の歴史を持つ老舗旅館。館内は現代的な設備が整い、バリアフリーへの配慮も行き届いています。鶴仙渓やこおろぎ橋に近く、観光の拠点としても便利です。
• バリアフリー設備:
• 車椅子で利用可能な専用客室あり
• 館内は段差が少ない設計
• 温泉大浴場に手すり設置
• 車椅子利用可能なトイレ完備
• 公式サイト: 白鷺湯たわらや
• 電話番号: 0761-78-1321
2. 山中温泉 花紫(はなむらさき)
• 特徴:
高級旅館として知られる「花紫」は、広々とした館内と、上質なサービスが特徴。バリアフリーへの配慮が行き届いており、高齢者や車椅子利用者も安心して宿泊できます。
• バリアフリー設備:
• 車椅子対応の和洋室あり
• 館内はフラットな設計で移動がスムーズ
• エレベーター完備
• 車椅子利用可能な大浴場と手すり設置
• 部屋食にも対応可能
• 公式サイト: 花紫
• 電話番号: 0761-78-0077
3. 山中グランドホテル
• 特徴:
自然に囲まれた静かな立地のホテルで、バリアフリー設備が整っています。リーズナブルに宿泊しながらも、快適な時間を過ごせるのが魅力です。
• バリアフリー設備:
• 車椅子対応の洋室あり
• エレベーター完備
• 温泉施設にスロープと手すり設置
• 館内のトイレは車椅子対応
• 公式サイト: 山中グランドホテル
• 電話番号: 0761-78-2223
4. よしのや依緑園
• 特徴:
鶴仙渓沿いに立つ宿で、自然とともに過ごせる癒しの旅館。バリアフリー対応が整備され、安心して利用できる宿泊施設です。
• バリアフリー設備:
• 車椅子での移動がしやすい設計
• スロープ付きの館内構造
• 温泉施設に手すり設置
• 車椅子対応トイレあり
• 公式サイト: よしのや依緑園
• 電話番号: 0761-78-1005
5. かがり吉祥亭
• 特徴:
モダンな和風旅館で、温泉街から少し離れた静かな環境に立地しています。高齢者や車椅子利用者向けに配慮された設備とサービスが魅力です。
• バリアフリー設備:
• 車椅子で利用可能な洋室あり
• 館内はフラットで移動がスムーズ
• 温泉大浴場に手すり設置
• 車椅子専用駐車場あり
• 公式サイト: かがり吉祥亭
• 電話番号: 0761-78-2223
まとめ
山中温泉は、バリアフリー対応が進んでいる施設も増えてきていますが、山間の地形ゆえに一部段差や急な坂道が残る箇所もあります。今回ご紹介したホテルや旅館は、いずれもバリアフリー設備が整っており、車椅子利用者や高齢者にも安心して滞在できる宿泊施設です。
第3部、もしもシリーズ
1. もしもノリとカロリーナが山中温泉を訪れたら(全体とグルメ編)
ノリとカロリーナが山中温泉に到着したのは、春の桜が満開の季節だった。車椅子のノリが山中温泉駅に降り立ち、満開の桜と渓谷の美しさに目を輝かせた。
「カロリーナ、見てみろよ!この景色、まるで絵みたいだな!」
「本当に綺麗だね、ノリ。これが山中温泉が誇る『鶴仙渓』の風景だよ。」
2人はさっそく鶴仙渓遊歩道に向かい、「あやとりはし」を目指した。この橋は、ユニークな形状で渓谷をまたぐ紅色の橋だ。遊歩道は一部バリアフリー化されており、ノリも快適に橋の入り口までアクセスできた。
「カロリーナ、この橋、すごい形してるな!なんだか未来的だよ。」
「でしょ?ここは山中温泉の象徴なんだって。渓谷を見下ろしながら歩けるなんて贅沢だね。」
渓流のせせらぎを楽しんだ後、2人は山中温泉街を散策することにした。温泉街の商店街には、地元グルメや特産品のお店が並び、多くの観光客でにぎわっている。まず目に留まったのは「温泉まんじゅう」の看板。
「カロリーナ、これ食べたい!蒸し立てでおいしそうだよ!」
「もちろん!温泉地といえば温泉まんじゅうだよね。」
2人が口にした温泉まんじゅうは、ふんわりとした生地と上品な甘さのこしあんが絶妙だった。
「これ、絶品だな!温泉街を歩きながら食べるのがまた最高だ。」
次に訪れたのは、地元産の加賀野菜を使った料理を提供する食堂。カロリーナは「金時草のおひたし」、ノリは「加賀れんこんの天ぷら」を注文した。
「ノリ、このれんこん、シャキシャキで美味しいね。金時草も独特な香りがあってクセになるよ。」
「加賀野菜ってすごいな。地元の味って感じがしていいな。」
さらに、旅の締めくくりに2人は「こおろぎ橋」へ。ノリは、石造りの美しい橋に立ち、自然の中でのんびり過ごす贅沢な時間を楽しんだ。
「カロリーナ、山中温泉は温泉だけじゃなくて、こういう景色も全部が魅力だな。」
「うん。渓谷の美しさとグルメ、温泉が全部そろってるなんて、本当に特別な場所だよね。」
2. もしもノリとカロリーナが山中温泉のバリアフリー旅館に泊まったら
ノリとカロリーナが泊まるのは、山中温泉の老舗旅館「」だ。創業800年の歴史を持つこの旅館は、近年バリアフリー化を進めており、車椅子利用者にも優しい宿として知られている。玄関で出迎えたスタッフは笑顔で2人を歓迎した。
「ノリ様、カロリーナ様、ようこそお越しくださいました。当館では、バリアフリー対応の客室と温泉施設をご用意しておりますので、安心してお過ごしください。」
案内された部屋は、車椅子でも移動がしやすい広々とした和洋室だった。段差がなく、トイレやバスルームには手すりも設置されており、ノリは感心した様子でうなずいた。
「カロリーナ、これなら安心して泊まれるな。細かいところまで気を使ってくれてるのがわかるよ。」
「本当だね。旅館でここまでバリアフリーだと、リラックスして楽しめるよね。」
夕方、2人は貸切風呂に向かった。温泉にはスロープが設置されており、スタッフのサポートを受けながらノリはスムーズに湯船へと入った。
「これが美肌の湯か!肌がツルツルになるって聞いてたけど、本当だな。」
「温泉に入ると体も心もほぐれるね。ここに来てよかった。」
夕食は、地元の食材をふんだんに使った懐石料理。飛騨牛の朴葉味噌焼きや、加賀野菜を使った天ぷら、新鮮な川魚の塩焼きなど、豪華な料理が並んだ。
「カロリーナ、この飛騨牛、口の中でとろけるよ!朴葉味噌との相性も抜群だな。」
「本当だね。地元の味をこんなに贅沢に楽しめるなんて幸せだよ。」
食後は、ライトアップされた鶴仙渓を散策。旅館の送迎サービスを利用し、こおろぎ橋まで足を運んだ。夜の渓谷は昼とは違う静けさと幻想的な雰囲気に包まれており、2人は特別な時間を過ごした。
「カロリーナ、こういう景色を見ながら過ごす時間って贅沢だよな。」
「うん、旅館のスタッフの心遣いもあって、本当に快適な旅だったよね。」
翌朝、温泉街を眺めながら朝食を楽しんだノリは、満足そうに言った。
「山中温泉に来てよかった。また違う季節にも訪れてみたいな。」
「うん、次は紅葉の時期に来ようよ。きっとまた違う魅力が楽しめるはずだよ。」
2人は、温泉と旅館のもてなしに感謝しながら、次の旅の計画を立てていた。
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