海外旅行想定トラブル ④
飛行機搭乗時に車いすを断られた場合
① トラブルの概要
海外の空港・航空会社において、
出発当日、またはチェックイン時に
「この車いすでは搭乗できません」
「安全基準に合わないため搭乗不可です」
と、突然搭乗を断られてしまうトラブル が起こることがあります。
特に多いのは:
・電動車いすのバッテリー問題
・サイズ・重量規定の問題
・事前申請未完了
・機内車いす対応不可の機体
・地上スタッフの判断ミス
これは、バリアフリー海外旅行における最も深刻な移動トラブルの一つです。
② よくある原因
なぜこのようなトラブルが起きるのか?
主な理由は次の通りです:
・車いすの「バッテリー種類(リチウム・非リチウム)」の問題
・重量・サイズが航空会社の基準を超えている
・チェックイン時に初めて車いす申告をした
・航空会社との事前申告が未完了
・乗り継ぎ空港の規則と異なる
・スタッフが規定を正しく理解していない
特に電動車いすは
国や航空会社ごとに基準が違うため、トラブルが起きやすい分野です。
③ 現地での対処法(すぐやるべき行動)
搭乗直前に断られた場合でも、
諦める必要はありません。次の手順で行動してください。
✅ 1. 搭乗拒否の理由を明確に聞く
「なぜだめなのか」を具体的に確認
・バッテリーの種類か
・サイズか
・書類不足か
✅ 2. マネージャー責任者を呼ぶ
カウンタースタッフだけでなく
スーパーバイザー/責任者 に判断してもらう
✅ 3. 書面を提示する
・事前申請の控え
・航空会社とのメール
・車いす仕様書
・バッテリーの安全証明書(あれば)
✅ 4. 代替案を提示してもらう
・次の便への変更
・同系列航空会社への振替
・バッテリー取り外し対応
などの選択肢を交渉
✅ 5. 旅行保険・航空会社サポートへ連絡
搭乗できない場合の補償・再手配を確認する
④ 事前にできる予防策
このトラブルは 事前準備で大きく防止できます。
重要な予防策は:
✔ 航空会社に事前申請を行う
出発の 最低72時間前 に連絡
✔ 車いす情報を詳細に提出
・サイズ
・重量
・折りたたみ方法
・バッテリー種類(電動の場合)
✔ バッテリーの証明書を準備
リチウムイオンバッテリーの場合は
容量(Wh)の証明が特に重要
✔ 航空会社の規定を事前に確認
公式サイトで「特殊手荷物」「モビリティエイド」の規定を確認
✔ 印刷した申告書・メールを持参
現地でのトラブル回避に非常に有効
⑤ 車いす利用者へのメッセージ
このトラブルが起きたら、
多くの方が
「迷惑をかけてしまった」
「悪いのは自分かも」
と感じてしまいます。
しかし――
それは違います。
あなたが事前に伝えていたなら、
責任は航空会社側にあります。
あなたは遠慮する側ではありません。
正当な乗客としての権利がある人です。
⑥ この記事のまとめ
飛行機搭乗時に車いすを断られた場合は:
・冷静に理由を確認
・責任者に判断させる
・書類を見せる
・代替案を要求
・保険とサポートに連絡
これが基本対応です。
そして最も大切なのは、
✅ 事前申請
✅ 書類準備
✅ 余裕あるスケジュール
この3つです。
これだけで、トラブルの9割は防げます



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